天守閣は、城の象徴として本丸に構えられたものです。最上階からは相模湾が一望でき、良く晴れた日には房総半島まで見ることができます。寛永11年(1634)に、三代将軍徳川家光が小田原城の天守閣に登り、武具を見たり展望を楽しんだという記録も残っています。

銅門は、江戸時代の小田原城二の丸の表門で、明治5年に解体されるまで、江戸時代を通してそびえていました。現在は、昭和58年（1983）から行われた発掘調査や古写真、絵図などを参考に、桝形門と呼ばれる形式で、本来の工法で復元されています。

小田原城の始まりから、現在に至るまでの歴史を、模型や映像で分かりやすく展示してあります。「北条五代ゾーン」、「江戸時代ゾーン」、「小田原情報ゾーン」などと、わかれており、それぞれのゾーン毎の体験を楽しめます。

馬出門は、二の丸正面に位置する重要な門で、江戸時代の初期からこの場所に存在し、寛文12年（1672）に桝形形式の門に改修され、江戸時代の終わりまで存続しました。馬出門は、周囲を石垣と土塀で四角に囲んだ「桝形形式」で、控柱に屋根がつく「高麗門形式」の門です。

現在の小田原城跡は、本丸を中心に「城址公園」として整備され、本丸・二の丸の大部分と総構の一部が、国の史跡に指定されています。平成18年10月に、「日本の歴史公園100選」に選ばれました。

小田原城正門、常盤木門内にある「小田原城ミューゼ」は 平成１４年にオープンしたガラスの美術館です。 館内は漆喰の白と漆の黒でモノトーンを基調とし、床は竹材を使ったシックな雰囲気の中でアール・ヌーヴォー、アール・デコの作品を約５０点展示している、まさに東西の融合を図った美術館です。

常磐木門は本丸の正面に位置し、小田原城の城門の中でも大きく堅固に造られていました。 常盤木とは常緑樹の意で、門の傍らには往時から松が植えられており、また、松の木が常に緑色をたたえて何十年も生長することになぞらえ、小田原城が永久不変に繁栄することを願って、常盤木門と名付けられたといわれています。

小田原城は町全体が総構えという土塁・堀切によって囲まれていました。この公園には総構えの最大の遺構である、「小峯御鐘の大堀切」があります。「小峯御鐘の大堀切」とは、敵の攻撃を防御するために築かれた東堀、中堀、西堀の３本からなる戦国時代に構築された空堀です。